研究を、誠実に読む
スマホ依存から抜け出す方法:研究で効果があるとされること
このことを検索する人の多くは、病気のことを聞いているわけではありません。思っている以上にスマホを手に取り、思っている以上に長く使ってしまい、やめるのが本来よりも難しい。そういう意味で使っています。その引っぱられる感覚は本物で、よくあることです。
スマホ依存の症状と、この言葉の意味#
スマホ依存は正式な診断名ではありません。世界保健機関(WHO)のICD-11にはゲーム障害が載っていますが、スマートフォンの使用全般は載っていないため、研究者はたいてい「問題のあるスマートフォン使用」と呼びます。2013年から研究で使われている10項目の質問票、Smartphone Addiction Scale(スマートフォン依存尺度)が尋ねるのは、よくある兆候です。思っていたより長く使ってしまう、予定していた作業ができない、集中できない、スマホがないと落ち着かない、まわりの人に使いすぎだと言われる。
私たちのスマホ依存度テストは、この10項目を使っています。研究者が引いた線を超えるスコアは、もっとよく見てみようという意味で、病気だという意味ではありません。スマホのせいで睡眠や仕事、人間関係が損なわれていて、自分ひとりでは減らせないなら、医師やカウンセラーに相談してください。
研究で効果があるとされること#
私たちが知るかぎりいちばんはっきりした証拠は、Hunt Allcott、Matthew Gentzkow、Lena Songによる実験です(American Economic Review、2022年)。一部の参加者は、一定期間ソーシャルメディアの利用を減らすと報酬がもらえました。ほかの参加者には、将来の自分のスクリーンタイムに制限をかけるツールが渡されました。
報酬が終わったあとも、利用は低いままでした。使う量を減らした期間が、少なくともしばらくは習慣になったということです。前もって制限を決めておくことでも利用は大きく減り、著者たちはこれを自制の問題と読み解いています。人は、自分自身が選びたい量よりも多く使ってしまうのです。参加者は、どちらの効果もある程度しか予想できていませんでした。著者たちのモデルでは、ソーシャルメディア利用の31%が自制の問題によるものとされています。
摩擦も効きます。アプリが開く前に短い待ち時間を強制すると開く回数が減り、ツールを外すとその効果は薄れていきます。これはアプリブロッカーは本当に効くのかで書いたとおりです。共通しているのは、ある期間だけ習慣を変えること、そして誘惑の瞬間より前に制限を決めておくことです。
ブロッカーより先に試したいこと#
どれも何もブロックせず、それぞれ数分でできます。
- 人以外のアプリからの通知を減らします。スクリーンタイムのレポートで、どのアプリがいちばん多く通知を送ってくるかがわかるので、まず設定 → 通知でそれらをオフにします。
- 設定 → アクセシビリティ → 画面表示とテキストサイズ → カラーフィルタでグレイスケールをオンにします。ある小規模なランダム化試験では、グレイスケールに切り替えた学生が、その後1週間で1日のスクリーンタイムを40分弱減らしました(HolteとFerraro、2020年)。小さな研究ひとつで、期間も1週間です。詳しくはグレイスケールのガイドで。
- 設定 → 集中モードで、夜用の集中モードを設定します。許可した人とアプリ以外からの通知を消音し、ホーム画面のページを隠すこともできます。集中モードのガイドに、シンプルな設定例があります。
- いちばん強く引っぱるアプリを、ホーム画面の最初のページから外すか、アプリライブラリに移します。そうすれば、開くのに反射ではなく検索が必要になります。
ひとつを2週間試してから、何が変わったかを見てください。4つを一度に変えると、どれが効いたのかわかりません。
ブロッカーの出番#
ブロッカーは、前もって制限を決めるという考え方をソフトウェアにしたものです。落ち着いているときに制限を決め、あとでスマホにそれを守らせます。Appleの休止時間とアプリ使用時間の制限(iOS 27では「スクリーンタイムのスケジュール」と「許容時間」)なら、これが無料でできます。初期設定では制限に達しても無視できますが、スクリーンタイムパスコードを設定すれば制限が効くようになります。詳しくは休止時間のガイドで説明しています。
ブロッカーは外すと効果が薄れるので、試験のある1か月など、ひと区切りの期間だけ使い、外したあとどうするかを前もって決めておきましょう。
記録が大切な理由#
Allcottの研究の参加者は、自分の習慣をある程度しか予想できていませんでした。そして記憶は当てにならない時計です。1か月たてば、よかった週も悪かった週も同じように感じられます。決着をつけるのは数字です。
iPhoneはアプリごとの時間を数えていますが、詳しいデータを残すのは約4週間です。今週と先週を比べるには十分でも、春に変えたことが秋になっても続いているかを見るには短すぎます。ここは私たちがつくっている部分なので、そのつもりで読んでください。finitはその数字を何年も、iPhoneとあなた自身のプライベートなiCloudに残します。きちんと形を決めて始めたいなら、デジタルデトックスのガイドで、前と後を比べられる休み方を紹介しています。
短い答え#
スマホ依存は正式な診断名ですか?
正式な診断名ではありません。WHOのICD-11にはゲーム障害が載っていますが、スマートフォンの使用全般は載っていないため、研究者は「問題のあるスマートフォン使用」と呼んでいます。
スマホ依存の症状は?
よくある兆候は、思っていたより長く使ってしまう、予定していた作業ができない、集中できない、スマホがないと落ち着かない、まわりの人に使いすぎだと言われる、といったものです。
スマホ依存から抜け出すには?
まずは無料でできる変更から始めてください。通知を減らす、グレイスケールにする、夜用の集中モードを使う、いちばん誘惑の強いアプリをホーム画面から外す。制限は前もって決め、何が変わったかがわかるように記録を残してください。
スマホ依存で助けを求めるべきなのは、どんなとき?
スマホのせいで睡眠や仕事、人間関係が損なわれていて、自分ひとりでは減らせないなら、医師やカウンセラーに相談してください。真剣に受け止めてくれます。
習慣を変えることは、それをはっきり見ることから始まります。私たちが記録を残す理由はこちら。